特集 建設業界で働く女性たち

2016年03月17日

ものづくりの感動がいちばん! ☆沖縄の舗装業界で働く女性たち☆

(一社)沖縄県中小建設業協会
(有)牧野建設 常務取締役 松田由紀子様

わが社では入社11年目の1級施工管理技士の阿部をはじめ、入社二年目の重機オペレーター志望ありさ(21歳)の2人の女性がアスファルト舗装・コンクリート舗装の現場をメインに、沢山の男性職人に交じり、日々汗を流しています。

アスファルト舗装工事の特徴でもある140℃以上の高温合材の側での作業は、体力の消耗や臭いなどが激しく、女性にとってとても厳しい作業環境にあります。
しかし、彼女達はその環境にもさらには沖縄の灼熱の太陽の暑さにも負けずにいます。そんな中、男女を問わず能力や技術の腕がないと扱われ方が違う事など現場で沢山の事を学んでいます。(力仕事等はさりげなく男性職人が手助けをしてくれて日々頑張っています。)
内部では私 松田を中心に、現場事務 上原・ 総務事務 青木 ・経理事務 本村(本村は大型特殊・高所作業者・ローラーの資格も持っています(笑))相談役の金城と共に毎月、女性目線での安全パトロールを実施し、安全確認を行いながら社員の無事故・無災害への取組を行っています。

内部メンバーも暑い時・寒い時こそ現場の大変さを共に感じることが大事!と、率先して現場に差し入れやおしぼりなどをもって駆けつけるなど女性メンバー達はとても頼もしい存在であります。
また、女性メンバー全員で、全身ピンクのつなぎを着用し、元請工事での清掃活動は元より、地域の防犯パトロール活動・国道清掃ボランティア活動等にも積極的に参加しています。最近では那覇マラソンの清掃スタッフとしても参加させていただきました。
会社では2年前に育児・介護休業制度を取入、2人の女性メンバーが制度を利用することができました。今では保育園送迎の時間帯や病気での急な早退にも、フォローアップして皆で協力し合いながら仕事に取り組んでいます。
また資格取得についても会社が100%バックアップしています。
関連会社を含めての女性だけの忘年会等を開催したり、月に一度の女子会(ランチ会)には、男性職員も快く電話番をしてくれます(笑)

建設業での3K(きつい・汚い・くさい)の中、働く環境は男性が圧倒的に占めていて、その中でも女性メンバーが活躍・応援できる事は・・・と、昨年10月に女性メンバーでグループを立ち上げ、企画・提案しあいながら、現場では見たことのない、かわいいイラストの工事看板や、垂れ幕、ヘルメット用シール、ピンクのソーラーパネル等、男性職員の応援もあって実現することができました。
今日も舗装工事現場でキラキラと輝いています(笑)。

次は工事用簡易トイレに実現できるよう、どんどん話し合っていく予定です。
現場は危険が付き物で、正直厳しい指導や罵声が飛び交うなど、決してやさしい所ではありません。

それでも、現場のメンバーからは「物つくりを通しての感動が一番の魅力」との言葉が!
その言葉の中には、沢山の人を通して、励まし支えあって創られていくという思いがあるからだと感じています。
そして何より、毎日、現場から帰ってきてからの、皆とお菓子を食べながらのおしゃべりはとても楽しい時間になっています。

 建設業は男性だらけの職場とイメージが強いかもしれませんが、各々の役割は違っても、女性でも建設業で積極的に頑張っています!
これからも安心で安全な高品質な道を創る!を合言葉に、これからも女性たちが笑顔で活躍できる職場環境を目指して頑張っていきます☆

キャラクター犬のまき犬

まき犬くんの誘導


施工管理技士 吉田絢子さんに聞く

静岡県中小建設業協会 
株式会社 石井組 

『人との出会いが新鮮』

――お仕事の内容を教えて下さい――
  設計図面通り期間内にものが造れる工程をたて、資材の段取り・測量・安全・
写真・品質等の管理をし、書類作成するのが主な仕事です。

――建設業界に入ったきっかけは何ですか――
  大学で土木工学を学び、「学んだものを活かしたい」という気持ちで現在の道に進み、今年で8年目を迎えました。

――建設業界の魅力とは――
  日々進行していく現場を終えた時の達成感は何よりも魅力です。
現場が変わるごとに関わる業者さん、担当職員も違うので人との出会いが新鮮な職場でもあります。

――男社会と言われる建設業界に入って思ったことはありますか――
  最初から女だからという先入観で出来ない・分からないだろうなと判断されて悔しい思いをすることはもちろんあります。しかし、悔しい思いをするのは、仕事をしていれば誰にでもあることですし、男性社員より優しい対応をしてもらっている事もあるので、深く考えすぎず気持ちを切り替えるようにしています。

――女性技術者に対する会社の反応はどうでしたか――
  これまで会社では女性が土木の現場監督として働くことがなかったため、私以上に周りが気を遣ってくれているように思いました。どの範囲まで出来るか、自分の出来ることは出来ると上司に伝える必要はあります。

――現場に求めることはありますか――
  女性だからと意識されすぎても、自分の出来る仕事の範囲が把握できないので、特別扱いを求めている訳では無いことを理解してもらい、扱いやすい存在として認識してもらいたいです。

――常に心がけていることは何ですか――
  清潔感、はきはきと対応すること。近隣・発注者とのコミュニケーションも工事を進める上でとても大切であるため、自分から話しかけること(近隣・業者・発注者ets)を心がけています。 

――建設業を目指している女性に向けてメッセージを――
  何でも吸収し、覚えていくことが沢山あると言うことは、他の職業と変わりないので、あまり意識し過ぎる必要はないと思います。ただ、外での仕事があるので、暑さや寒さに負けないよう体力は必要だなと感じます。  

――大切な時間を教えてください――
  学生の頃からスポーツ・アウトドアが好きで、休みの日は登山に行ったりします。昨年からゴルフもはじめ(きっかけをくれたのは土木部の上司です。)土木部のゴルフコンペにも仲間入りさせて貰いました。レッスンの先生はたくさん土木部にいますし、仕事以外の共通の話題もできてとても楽しいです。


施工管理技士 一條 真弓さんに聞く

(一社)みやぎ中小建設業協会 
  船山建設(株) 工事課課長 

『現場は一期一会』
--建設業界に入ったきっかけはなんですかーー
 舩山社長に「施工管理の資格を取ってみないか」と言われたことです。わが社の事務員で欠員があったところに、私が入社希望で飛び込み面接をしました。「事務員はできるだろう」の気持ちで入社しました。土木は右も左も知らないものばかりで、ほんとうに施工管理技士の資格が取得できるのだろうかと思っていましたね。

--男社会といわれる建設業界に入って思ったことはありますかーー
 そうですね。正直言いますとこの業界は厳しいです。技術はもちろん、コミュニケーションができていないとむずかしい部分があります。ましてや女性ですので、上から目線で見られることが多いです。現場は生き物のように毎日姿を変えるため、段取り、指示には細心の注意を払う必要があります。女性が男性に指示をすることには抵抗がありましたし、勇気が必要でした。当初は技術面の知識が乏しかったため、指示ができずに先輩たちにフォローしていただき今に至っています。
 現場に入る前に確認していることがあります。それはお手洗いで、一番気になることです。もう1つは、作業着が濡れたり、汚れたりしたときの脱衣所がほしいですね。男性は仕事人間ですから、仕事のことしか考えないですが、衛生面を考えてしまうのは女性の本能でしょうかね。

--女性技術者に対する会社の反応はどうでしたかーー
 入社当時は、男性のほうが私にどう接していいのかわからないようでした。私も相手が男性ばかりですし、年上の方たちにどう接したらいいのかわからず、距離感がありすぎて1日中、対話できずに終わることが多々ありました。男性と違い、頼みにくいようです。

--女性に建設業を知ってもらうために必要なことは何だと思いますか―ー
 今、活躍している女性たちをどんどん紹介していくことです。建設業は男性の職場というイメージがつきまとっていますし、3Kと言われ続けてます。それをくつがえすためには、活躍している女性を紹介、対話ができれば、建設業のイメージが湧いて不安だったけど「私もできるかも…」と思う気持ちが大きくなり、自然に女性技術者が増えるのではと思います。
 建設業は奥深く、自分が携わったものが皆さんの役に立っている、地図に半永久的に残るという感動を味わってもらいたい。

--建設業を目指している女性に向けてメッセージをーー
 主婦上がりの私ができたのですから、あなたもできるはず!と言いたいですね。

--未来の自分についてーー
 後についてくる女性技術者たちの働きやすい環境づくりを担っていけたらいいな。

--大切な時間を教えて下さいーー
 写真! 毎日、朝日を撮影(曇、雨のときは庭を散策)。寝る間も惜しんで起きていきます。風景、花、撮り鉄…など。写真撮影に出かけることでいろんなものに出会えて気分転換になり、「また、がんばっぺ!」と前向きにさせてくれます。写真は、露出、構図、自然環境によって二度と同じものには出会えません。「一期一会」ですね。現場も同じかな…と感じる時があります。私からカメラがなくなったら、抜け殻のようになってしまいます。それだけカメラを大事にしています。