全中建トピック

2017年12月01日

全中建だより(11月1日463号)

全中建だより11/1号が発行されました。
全中建だより11.1号

●主な記事
・平成29年度全国ブロック別意見交換会 (関東地区・愛知地区)
・平成29年度 第3回通常理事会(9/8)
・国交省へ窮状打開要望提出(9/25)
・枝國建設㈱ 代表取締役社長 枝國裕子様 インタビュー
・中小企業における i-construction活用の現状と課題
●今後の行事予定
・12/22(金)「働き方改革及び生産性向上に関する特別検討委員会」KKRホテル東京
・1/19(金) 「正副会長会議・理事会・協議委員会」東武銀座ホテル
・3/16(金) 「理事会」東武銀座ホテル



コマツ産機ほかグループの皆様との対談

平成29年10月20日(金)全中建事務局において、コマツグループの皆様(6名)と豊田会長・土志田副会長との対談を行いました。コマツグループでは毎年「ミドルマネジメント(中間管理職対象)」を行い今回『中小建設業者の生産性向上』をテーマとしたことで、豊田会長・土志田副会長との対談となりました。
豊田会長から、担い手確保・生産性向上・ICT等について説明。どれもテーマが大変大きいが全産業に通じる問題であり、生産性だけでもダメ、働き方改革だけでもダメであり全てが繋がっていてどれもが改善されていかなければ変わっては行かないと話されました。

土志田副会長からは「生産性向上や働きかた改革など国とともに検討をしているところであるが、社会保険未加入対策や端境期の解消などの問題に対する国の動きに中小建設業界は常に一喜一憂してきた。しかし、週休2日制にしても出来ないと思っていたが、やっていかなければいけないところにきているし必要なことであると思っている。ただし、職人の働き方にはいろいろあるため、それをどう解消していくのか大きな課題はある。」その他、担い手確保・平準化、地元建設業の災害対応の重要性など、中小建設業界の現状と改善策についてお話しをされました。

コマツグループのご出席者からは、生産性向上を20%上げていくことについてどの分野の工事なら可能となるか、赤字の見込みになりそうな1工事について、年間で受注した工事のトータルが赤字にならなければ経営上良しとなるものなのか、生産性向上と言われるが実ははっきりとわからないところがある、生き残っていく企業の特徴、重機操作などの資格について、担い手確保や生産性向上などの取組みに関するモデル企業、新規参入の企業との関わり方、自治体における入札ランクの現状と今後等々多くの質問を頂きました。

多くの問題と課題について、今後も取り組んでいくとして終了となりました。


建設産業政策2017+10 ~若い人たちに明日の建設産業を語ろう~とりまとめ

建設産業政策会議において、全中建から土志田副会長に委員としてご出席頂き、10年後の建設産業が「生産性」を高め「現場力」が維持できるよう、建設業関連制度の枠組みについて検討を行ってきました。
その内容が報告書として取りまとめられましたのでご参照下さい。

【建設産業政策2017+10】
参照ページ


国土交通省へ要望提出

平成29年9月25日(月) 豊田会長・土志田副会長・朝日副会長とともに、国土交通省に対し「危機的状況にある中小建設業者の窮状打開に関する要望」を提出いたしました。㈠公共事業予算の大幅な確保と地域の雇用と受注機会の確保 ㈠担い手3法及び改正品確法の運用指針の適正な実行 ㈠ダンピング排除 ㈠工事発注の平準化 ㈠設計労務単価の更なる引上げ ㈠最低制限価格及び低入札価格調査基準価格の引上げ、上限拘束性の撤廃、予定価格の事前公表の廃止 ㈠小規模工事の歩掛り及び小規模工事施工パッケージ型積算方式の見直し ㈠技術者資格取得要件の緩和 ㈠就労環境の改善 ㈠提出書類の簡素化です。豊田会長から、中小建設業界の役割の重要性とその反面、厳しい状況に置かれている現状等について説明をし、地域に根差した「社会に貢献する力強い地場産業」として今後も生き残れるよう強く訴えて参りました。

土地・建設産業局 田村局長へ提出

大臣官房 川元営繕部長へ提出


建設業界で働く女性のつどい

 建設業界でも最前線の現場で活躍する女性が増えています。全中建では平成29年7月19日、事務局に建設業界で活躍する女性の皆さんに集まっていただき、現場での実際の苦労や、やりがいなどについて語ってもらった。

― 実際に現場へ出て思ったこと ―
 當間 現場は男社会で自分には技術もなかったことから「おい!」としか呼ばれず仕事も雑用ばかりだった。今では知らない職人さんから 下の名前で呼ばれたり仕事も任せて貰えるようになりました。
 新倉 上司から「まる子」と呼ばれるので、まわりからも「まるちゃん」とニックネームで呼ばれる。現場は想像より働きやすかったです。
 須藤 現場はもっと汚い世界だと思っていたので覚悟をして入ったが、思ったより働きやすいと感じた。怒られることもあるが、女性が少ないせいか皆さんはとても優しい。良い意味で女性ならではの仕事の頼み方も学んだと思います。
 鈴木 まだ、現場に出ていないので分からない。これから自分の立ち位置なども含めて勉強していきます。
 須藤 デザインや設計をやってきたが、図面などは書けずにこの業界へ入りました。図面だけでは何も見えてこない、建設業界へ入ってみなければ分からないと思っていました。

― セクハラ等について ―
 新倉 最初から特別何も思わなかった。セクハラまがいの言葉をかけられることもあるが、あまり気にならなかったです。
 須藤 セクハラかなと思う会話もあるが、かわし方も学んでくるので大丈夫です。むしろ男性の方がセクハラ・パワハラの言葉に敏感になっている気がします。
 全員 だんだんセクハラとも思わなくなっている。(笑)
 須藤 新倉さんへの質問です。設計を理解して現場に入ることの利点を教えていただけますか。
 新倉 図面が理解できて記号の意味が分かるのが1番大きいと思う。寸法を見て3Dで想像もできることです。
 鈴木 須藤さんに質問です。現場での仕事の頼み方を教えて下さい。
 須藤 上司に言われたとおりを職人さんに伝えると怒られることがあり、なぜ?と思ったが、仕事の段取りを明確に伝えることができておらず、いまはそれを心掛けている。あとは女性なので、可愛い子ぶって頼むのも1つです。(全員 笑)
 新倉 重い物もふざけて「ああ腕が」と言うと、男性が持ってくれます。小芝居は大事です。(全員 笑)
 須藤 人によっては寡黙な方もいて、時間がかかっても距離を縮める努力をしないと仕事が進まない。最後は1番仲良くなっていることがあります。

― 休暇について ―
 須藤 現場が動いていると取れないのは分かっているので慣れてはきます。1週間のタイムスケジュールを作成している。仕事のスケジュールを30分刻みに組んで、上司と無駄な時間の使い方がないか検討をしている。仕事を見える化したことで残業を減らすことができています。

― 現場環境の変化 ― 
 當間 あまり変わっていないと思う。(全員)現場の所長によって良かったり悪かったりです。
 須藤 トイレを女性用に用意してくれたこともあったが、男性が並んでいると悪い気がしてしまう。

― 落ち込んだときの解消法 ― 
 新倉 ガンガン飲んで寝て忘れますっ!!(全員 笑)
 當間 先輩や上司に話しをして聞いてもらっています。
 須藤 年齢が近い先輩と話をします。弱みを見せられる先輩の前で思いっきり泣かせてもらっています。
 鈴木 同期の子と愚痴りながら帰ります。

― 家族の反応は ―
 新倉 あなたは大丈夫ね!と言う感じでした。
 當間 自分がやりたいと思うならと理解してくれました。
 須藤 反対はありませんでしたが、たとえ反対されても私はやります!(全員 笑)
 鈴木 すごく心配されましたが、でもやりたいならと言ってくれました。

― 今一番つらいと思うこと ― 
 新倉 現場までの通勤が長いのがきついです。
 當間 今のところありません。暑さはつらいけどそれが逆に楽しい。まわりはバテてますが自分だけ元気だったりします。
 須藤 特別ありません。何かあったらできるだけその場で解決するようにしています。
 鈴木 今はありませんがこれから何があるのかは不安です。同期の男の子には負けたくない気持ちもあり、女性だからと常に助けられるのも悔しいです。

― 結婚や出産後は ―
 當間 続けたい。できれば現場に戻りたいです。
 全員 続けたいです!

― 上司への要求 ― 
當間 何かあれば上司にもはっきり言うので特にありません。
 須藤 上司に対し親のように何でも話すので特にありません。

― 後輩に対して ―
 新倉 何でもかんでも後輩にやらせるのではなく、自分ができることはやるようにしています。
 須藤 友達のようになるが、なめられないようにしている。(全員 笑)注意するときにきつい言い方になりそうですが受け止めてほしいです。
 當間 私ははっきりと言います。「ふざけんじゃない!」とか(全員 笑)。男口調で強く言わないと聞いてもらえないので。

― これからの夢は ―
 當間 もっと女性が増えたらいいなと思う。とくにオペレーターの人が増えたらと思います。
 新倉 女性の後輩が増えたら良いと思います。男性ばかりだと口調もきつくなりがちになります。
 須藤 女性だけの現場。管理者だけ女性でやることは可能かなと思います。そんな現場だったら職人さんの気持ちも上がるのではないかと思います。(全員 笑)
 鈴木 後輩ができたらなんでも話せる先輩になりたいと思います。
 事務局 建設業で働く4名の若手女性の皆さんは、つらいことや悔しかったことすべてをバネにして精一杯仕事をされていました。女性であることがこんなにも輝く職場であったことを改めて気づかせて下さいました。
 皆様ありがとうございました。