(一社)みやぎ中小建設業協会
星造園土木株式会社 工事部係長 鈴木 智佳子 様
ーーお仕事の内容について教えて下さいーー
主に公園整備工事等の現場で、造園や土木の施工管理の仕事をしています。
ーー建設業界に入ったきっかけを教えてくださいーー
もともとは興味があったわけではなかったのですが、地図に残り、後世に残るものをつくれる現場に携われたらと思い、19年くらい前になりますが、思い切って飛び込みました。
はじめは業務委託などの書類作成が主な仕事でしたが、少しずつ色々なことを経験し、現在は現場の仕事をしています。
ーー建設業界の魅力と言われたらーー
先述したとおり、後世に残るものをつくれることだと思います。
ーー建設業界で働いていく上で、女性としてのハンデや逆に良かったことなどを教えて下さいーー
ハンデというよりは意識を変えるようにしています。安全管理等について、たとえば実際に公園を使用する際は、背の高くない女性であれば庇の角にぶつかる恐れがあったりする箇所にコーナーガードを設置するなど、男性があまり気にかけないようなところに視点を置いたり、書類のクオリティーや出来栄えも、書いてあればいい、ではなくフォントの大きさや見易さ、ページの収まりなどにも気を使うなど、女性ならではの視点で安全管理や書類の品質・出来栄えに貢献できればと思っています。
ーー女性技能者・技術者に対する会社や現場の反応はどうでしたかーー
私がこの業界に入った頃よりも、今は格段に女性が増えたことによって、女性専用トイレの設置など、当たり前でなかったことが少しずつ当たり前になってきている傾向は感じています。
ーー女性が働き続けるために、建設業界(または現場)に求める改善点などがありましたら教えて下さいーー
昔に比べれば設備面では様々なところで改善がなされていると思います。
衛生面や意識改革などは進んでいるかと思いますが、やはりまだまだ「男(おとこ)社会」な部分や感覚は残っていると実感します。これから女性が建設業の現場で働くためにも、女性特有の身体の不調などにはまだまだ理解がほしいと思います。
ーー現場で常に心がけていることなどはありますかーー
同じ現場を共有する人たちには様々な年代の方がいます。休憩時間などを利用し、現場以外の話を通して時には互いにカルチャーショックを感じながらも楽しくコミュニケーションをとっています。
ーー介護をされている方にお聞きしますーー
仕事との両立で特に大変だったことはなんでしたか。その中で工夫されたことや得られたサポートなどがあったら教えて下さい–
私は自宅で両親の介護もしています。昼間はヘルパーさんや訪問看護の方に任せますが、朝晩の介護や食事の面倒は見なければならず、大変だと感じています。そうした状況を現場の中で共有・理解を頂き、対応しています。
これからの高齢化社会はどうしてもそういったことが増えていくと実感しています。
ーー仕事の中で悔しい(悲しい)思いをしたこと、それでも辞めずに続けてこられたことがありましたら教えて下さいーー
様々な理解について悲しいと思うことはあります。現場も内業もそうですが、一定の技術をもって仕事をしていても、外側から見れば、女性というだけで誰にでもできる仕事をしていると思われることは悲しく思います。
それでも多少なりとも自負をもって働いている以上は、見返す気持ちで頑張っています。
ーー今の仕事に就いて、1番嬉しかった言葉はありますかーー
「いてもらって助かった」など認めてもらえる言葉はいつも嬉しいですが、自分の現場であっても、補佐で入った現場でも、「一現場お疲れ様でした」と言ってもらえれば嬉しいです。
ーー未来の自分はどんな風であったら良いと思いますかーー
怪我などもせず、とにかく健康でいたいです。
ーー建設業を目指している女性に向けて一言!ーー
中に入ってみないと分からないと思いますが、思っている以上に楽しい業界だと思っています。
ーー貴女の大切な時間を教えて下さいーー
一人旅が好きなので、大きな現場が終わって時間があれば旅行に行くことが楽しみです。
また日常では愛犬との時間は大切にしています。朝出かけるときも、帰宅した時も真っ先に迎えてくれる愛犬との時間は何よりも癒されます。
《 執筆者様の愛おしく大切な相棒 》